13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「翔っ!」

「えっ?あっ!?」

いきなり教室に飛び込んで来たのは、檜山。
ちょうど今考えていたこともあって、俺は思わず変な声を上げた。

それが恥ずかしくて、ごまかすみたいに、

「おせーよ!教室めっちゃ寒いんだけど!」

いつもの憎まれ口を叩く。

「だからっ、走って来たんでしょ!?」

言い返す檜山の息は切れていて、肩は大きく上下していて、走って来たのは言わなくても分かった。

急いで来てくれたのに、今の言い方はちょっとなかったかも……。

「ごめ」
「でも、ごめん」

俺の謝ろうとした声は、檜山の謝る声に掻き消された。

「いや……」

“遅い”と言ったものの、実は自分も今さっき来たばかりで、素直に謝られるとバツが悪い。

檜山はそんな俺に気付く様子もなく、呼吸を整えると、俺の方にズカズカと歩いて来た。

「何だよっ」

反射的に後ずさろうとするけど、隣の机にぶつかって阻まれる。

俺との距離を縮めた檜山は、

「んっ!」

俺の目の前に何かを付き出した。

……何だ?

距離が近すぎて、とっさには焦点が合わない。

俺はゆっくりとその物を見た。

長方形の箱。
白い包装紙に、赤いリボン。

……これって――。