「翔っ!」
「えっ?あっ!?」
いきなり教室に飛び込んで来たのは、檜山。
ちょうど今考えていたこともあって、俺は思わず変な声を上げた。
それが恥ずかしくて、ごまかすみたいに、
「おせーよ!教室めっちゃ寒いんだけど!」
いつもの憎まれ口を叩く。
「だからっ、走って来たんでしょ!?」
言い返す檜山の息は切れていて、肩は大きく上下していて、走って来たのは言わなくても分かった。
急いで来てくれたのに、今の言い方はちょっとなかったかも……。
「ごめ」
「でも、ごめん」
俺の謝ろうとした声は、檜山の謝る声に掻き消された。
「いや……」
“遅い”と言ったものの、実は自分も今さっき来たばかりで、素直に謝られるとバツが悪い。
檜山はそんな俺に気付く様子もなく、呼吸を整えると、俺の方にズカズカと歩いて来た。
「何だよっ」
反射的に後ずさろうとするけど、隣の机にぶつかって阻まれる。
俺との距離を縮めた檜山は、
「んっ!」
俺の目の前に何かを付き出した。
……何だ?
距離が近すぎて、とっさには焦点が合わない。
俺はゆっくりとその物を見た。
長方形の箱。
白い包装紙に、赤いリボン。
……これって――。



