13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


廊下から見えた教室。

少しドキッとしたのは、光が洩れていたから。

誰か残ってんのかな?
それとも……。

考えると何だか緊張して、俺は教室の前で一度深呼吸してから、ドアを開けた……けど、

「何だ……誰もいねーじゃん」

すっかり冷えきって、人の気配を全く感じさせない教室。

肩の力がストンと抜けた。


とりあえず、自分の席まで歩いて行って、机の上に鞄を下ろす。

女子バレー部も、同じくらいに片付けを始めていた。

だからもうすぐ、檜山も来るはず……。

「……はぁ」

特に落ち込むことなんてないけど、何となく出たため息。

俺が考えるに、やっぱり檜山の用件は、“別れて”ってことだと思う。

きっと、好きな奴のことが忘れられなくて、そいつにチョコをあげたとか、あげたいだとか、そういうことが絡んでて……、

バレンタインの今日、檜山はあんな顔をして、俺を呼び出したんだと思う。

うん、そう。絶対そうだ。

でも、

「わざわざ呼び出したりなんか、しなくていいのに……」

もともと、軽すぎるリでの交際なんだから。
それに、付き合っていると言っても、それらしいことはひとつもしてないのだから。

そんなことを、考えていた時だった。