苺先輩と西藤先輩のこと、“良かった”って思う気持ちは本物なのに、「西藤先輩はチョコもらったんだろうな……」なんて、嫉妬みたいな気持ちを抱いたりもしていて……。
「……はぁ」
教室に戻って席に着いた俺は、頬杖をついてため息をついた。
「翔」
誰かが机の前に立って、俺を呼ぶ。
……もう期待したりしない。
自棄になって、聞こえているのに、わざと無視をする。
すると、
「翔っ!」
「っ!?」
そいつは俺の耳元で大きな声を出して、俺は椅子から落ちかけた。
「っ!何すんだよっ!!」
「耳が遠くなったのかと思って」
ツンとした態度で答えるのは、檜山。
「耳元で叫ばなくったって聞こえてるよっ!」
「ふーん。じゃあ、無視してたんだ?」
「……」
そう言われると、悪いのは俺のような気がして、何も言えない。
「……何だよ?」
檜山から顔を背ける形で、また頬杖をついて、用件を聞いてみる。
「チョコ、いくつもらったの?」
「そんなん檜山に関係な……」
言いながら、パチッと目を開く。
いや、関係あんのか……?
だって檜山と俺って――。
バッと顔を上げて、檜山の方へと振り返った。



