13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「あっ、俺は岡田 翔って言うんで!」
「岡田…くん」

先輩は小さな声で苗字を呼ぶ。

「いや、翔って呼んで下さい!」「え、えぇ!?」

特に何かを意識したわけじゃない。女子の友達にも、名前で呼ぶ人は沢山居る。

「ダメですか?苺先輩」
「苺先輩?何で下の名前に…?」
「だって、苺とか可愛い名前、呼ばなきゃ損じゃないですか!」

苺先輩は少し顔を赤らめて、「ありがとう」と小さく礼を言う。

「だーかーら、俺の事も翔って呼んで下さい!」
「えっと、それは…」
「お願いします!」

こうなったら引くわけにはいかない。俺は両手を目の前に合わせて、お願いする。


「…わかった」

返事を渋らせていた苺先輩だけど、何かを決意したみたいに頷いた。

「翔くん、でいいかな?」
「はいっ!ありがとう、苺先輩っ!」

名前で呼んでくれた事が、とても嬉しくてたまらなかった。

呼び方一つだけど、仲良くなれた気がした。


自信過剰かもしれない。

だけど、微笑んでくれる彼女を見ると、

振り向いてくれるような気がしてたんだ…。