13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


手作りチョコ。
それは藤原先輩への、クリスマスプレゼントのお返しになる予定だった。

私なんかの手作りチョコを、先輩は欲しいと言ってくれた。

私には似合わないのに……先輩だけは私を“女の子扱い”してくれた。

「佳奈?」

先輩のことを思い出して、思わずしゅんとしてしまったあたしに気付いたのか、都が心配そうに名前を呼んだ。

「……とにかく、手作りチョコはなし!」

私は自分の気持ちを吹き飛ばすように言って、手作りコーナーとは逆方向の棚へと歩き出した。

「もー……、作るの手伝ってあげるのにー」
「都が手伝ったら、味見で全部なくなっちゃうでしょ」
「あっ、ばれてた?」
「とうぜ……」

“当然”そう言おうとしたのに、言葉が途切れる。

「都……私、これにする」

ふと目に入ったチョコレート。
私は迷うことなく、それに手を伸ばした。

「えっ!そんなんにしちゃうの!?」

隣で都が驚いた声を出すけど、私は「うん」と、頷く。

「あいつ、バレーバカだから」

言いながら、私は微笑んでいた。