13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「何でー?バレンタインなんだから、ストレートに行かなきゃ!」

そう言いながら、都は私の目の前にチョコを差し出す。

ふざけてるのは、私のためかな……なんて考えて、胸がキュッと締め付けられながらも、私は「ストレートすぎ」と、チョコを突き返した。

「ちぇー。絶対コレが良いと思うのにー。じゃあ、どんなのにすんの?」
「うーん……」

目の前には、綺麗に並べられたチョコレート達。
あまりに沢山あって、目移りしてしまって、なかなか決められそうにない。

「じゃあさ、手作りにしたら?」

手作り……。
都の言葉に一瞬固まるけど、

「そういうの、苦手だから」

断ろうとした私に、

「最近は簡単に作れるんだよ?」
都が手作りキットのコーナーを、指差す。

本当は……手作りチョコとか、少し憧れる。
作ってみたいな……って、思う。

だけど、

「キャラじゃないもん」

そう、私はバレンタインにお菓子を作るような、可愛らしいキャラじゃない。

ましてや、バレンタインにチョコを贈るようなキャラでもないのに、その上手作りだったら、翔に気持ち悪がられること間違いない。

それに何より……手作りチョコは、翔にあげちゃいけない。