「何でー?バレンタインなんだから、ストレートに行かなきゃ!」
そう言いながら、都は私の目の前にチョコを差し出す。
ふざけてるのは、私のためかな……なんて考えて、胸がキュッと締め付けられながらも、私は「ストレートすぎ」と、チョコを突き返した。
「ちぇー。絶対コレが良いと思うのにー。じゃあ、どんなのにすんの?」
「うーん……」
目の前には、綺麗に並べられたチョコレート達。
あまりに沢山あって、目移りしてしまって、なかなか決められそうにない。
「じゃあさ、手作りにしたら?」
手作り……。
都の言葉に一瞬固まるけど、
「そういうの、苦手だから」
断ろうとした私に、
「最近は簡単に作れるんだよ?」
都が手作りキットのコーナーを、指差す。
本当は……手作りチョコとか、少し憧れる。
作ってみたいな……って、思う。
だけど、
「キャラじゃないもん」
そう、私はバレンタインにお菓子を作るような、可愛らしいキャラじゃない。
ましてや、バレンタインにチョコを贈るようなキャラでもないのに、その上手作りだったら、翔に気持ち悪がられること間違いない。
それに何より……手作りチョコは、翔にあげちゃいけない。



