13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


やっぱり都も、最低だって思うよね……。

嫌われるのを恐れながらも、返ってくるだろう冷たい言葉を覚悟する……けど、

「いいんじゃない?」

「……えっ」

私はうつむいた顔をパッと上げて、都を見る。

「理性がちゃんと保てるくらいの想いなら、誰も恋愛で悩んだりしないよ。
それに、佳奈は普段我慢しすぎだから、そのくらいで調度いいと思うよ」

商品を眺めながら、都が口にした言葉。

私はそれを聞いて、逃げるように棚の後ろへ回った。

「……っ」

喉の奥が痛い。
込み上げる涙を我慢する。

都の予想以上に優しい言葉。
それは……私の欲していた言葉だった。

自分の行動を自分で否定しながら、誰かに肯定して欲しかった。

私がしてしまったことは悪いことで、それはどうやっても変わらないけれど……誰かひとりで良いから、気持ちを分かって欲しかった。


「ねぇ佳奈ー。こんなチョコとかどうよ?」

何事もなかったように、いつもの調子で、都がひょっこり顔を出す。

手にしていたチョコレートは、露骨に“大好き”と、書かれているもの。

「……絶対イヤ」

私は一言そう言って、プイッと顔を背けた。