付き合ってる……はずなのに、翔との関係は以前と全く変わらない。
本当に付き合ってんの?
自分でもそう疑問に思うくらいだから、周りは気付くはずもない。
そんな状況に、少しがっかりしながらも、正直安心していた。
だって……すぐ近くに藤原先輩がいる。
敷居なんかない、ネットで区切られただけの体育館。
目を向ければ、先輩の姿は簡単に捕えられる。
それは、先輩からも同じ。
こんなに近い距離で、翔と仲良く話すなんて、とても出来ない。
そんなことを考えていたら、自分でも気付かないうちに、男子バレー部の方を見ていた。
目に映るのは、ボールに空気を入れる藤原先輩の姿。
こうやって、私が先輩を見てしまうことは何度もあるのに、別れてから目が合ったことは、不思議と一度もない。
藤原先輩は……明らかに私を避けてる。
それでも、私が先輩を見てしまうのは、気になることがあるから。
あの日、保健室でメールしたこと……私の勝手なお願い。
返信はなかったけど、先輩は守ってくれているんだろうか。
それが気になって、いけないと思いながらも、ついつい見てしまう。



