♪佳奈side♪
「佳奈ちゃんは、藤原先輩にチョコあげるんだよね?」
部活終了後。1年生みんなで、コートを片付けていると、急に話を振られた。
チョコ……バレンタインの話。
そういえば、もうそんな時期だっけ。
「藤原先輩とは……」
「亜耶(あや)」
私が“別れた”と言うより早く、近くにいた友達が咎めるように、話を振った子の名前を呼んだ。
「え……何?」
肩に届くくらいの長さの髪を、横でひとつに結んでいる亜耶は、本当に知らないようで首を傾げる。
「もー……」
友達は困った表情を浮かべ、ちらりと私の顔を見たから、「大丈夫」と、笑って見せた。
「先輩とは、別れたんだ」
「え……え……えーっ!!」
「亜耶、うるさいっ」
驚く亜耶の頭を軽く叩いて、友達は畳んだネットを倉庫に返しに行った。
「ごめんね、何も知らなくて……。いつから?」
「学校始まってすぐ、かな」
「え……。クリスマスの時、あんなに良い感じだったのに?」
亜耶の言葉に目を見開くけど、
思い返せばクリスマス、回ってきた先輩のプレゼントを私にくれようとしたのは、亜耶だった。
「佳奈ちゃんは、藤原先輩にチョコあげるんだよね?」
部活終了後。1年生みんなで、コートを片付けていると、急に話を振られた。
チョコ……バレンタインの話。
そういえば、もうそんな時期だっけ。
「藤原先輩とは……」
「亜耶(あや)」
私が“別れた”と言うより早く、近くにいた友達が咎めるように、話を振った子の名前を呼んだ。
「え……何?」
肩に届くくらいの長さの髪を、横でひとつに結んでいる亜耶は、本当に知らないようで首を傾げる。
「もー……」
友達は困った表情を浮かべ、ちらりと私の顔を見たから、「大丈夫」と、笑って見せた。
「先輩とは、別れたんだ」
「え……え……えーっ!!」
「亜耶、うるさいっ」
驚く亜耶の頭を軽く叩いて、友達は畳んだネットを倉庫に返しに行った。
「ごめんね、何も知らなくて……。いつから?」
「学校始まってすぐ、かな」
「え……。クリスマスの時、あんなに良い感じだったのに?」
亜耶の言葉に目を見開くけど、
思い返せばクリスマス、回ってきた先輩のプレゼントを私にくれようとしたのは、亜耶だった。



