責任感が強いというか……自分ひとりで何でも出来る、そう思ってるところがあるんだよな。
もっと他人を頼ればいいのに、友達にすら甘えようとしない。
彼氏が出来ても、あんなんなのかな……。
教科書をめくりながら、頬杖をついてボーッと考える。
「……あ」
「何?」
あることを思い出して無意識に出た声に、隣のクラスメートが反応した。
「や、何でもない」
ははっと軽く笑って、意味もなく教科書をめくる。
……檜山の彼氏って、俺なんだっけ。
思い出した途端、胸のあたりが痒くなるような、何だか妙な気分になった。
冷静になって考えてみれば、俺と檜山が付き合うなんて変だ。
うん、絶対に変。
冗談で提案した交際に檜山が乗って来て……あの時はただ単に“彼氏”が欲しかっただけだと思ってたけど、檜山はそんな奴じゃない。
少なくとも、俺とそんな理由で付き合うことは、絶対にない。
『津田先輩にフラれて、どう思った?』
『恨んだり、憎んだりした?』
もしかして、あいつも失恋したのかな……。
檜山が口にした僅かな言葉達が、理由に繋がる気がした。



