元カレから貰ったものを、しかも自分から別れた人がくれたものを、まだ付けているなんて悪趣味。
そんなことは理解していて、当然のように外そうとした。だけど、
ストラップを外して、藤原先輩とのことを、なかったように翔と付き合うの……?
それはとてもズルいことのように思えてしまった。
私は先輩のことを、忘れちゃいけない。
先輩を傷付けたことを、忘れちゃいけない。
だから、ストラップはそのまま付けておくことにした。
反省しているのなら、本当は翔と付き合っちゃいけないけど……それが出来ない、弱い私。
ストラップはそんな自分への、自己満足な戒めだった。
……それなのに、私は今何をしているんだろう。
開いた携帯。ディスプレイに映るのは、メールの新規作成。
宛先は……藤原先輩。
どうしても、どうしてもお願いしたいことがあって、私は微かに震える手でメールを打っていた。
私が言うのは逆効果かもしれない。先輩を更に、傷付けてしまうかもしれない。
それでも、これだけはお願いしたくて。
あの人だけは傷付けたくなくて。
……本当、自分勝手な私。
ため息と一緒に、送信ボタンを押した――。



