13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


元カレから貰ったものを、しかも自分から別れた人がくれたものを、まだ付けているなんて悪趣味。

そんなことは理解していて、当然のように外そうとした。だけど、

ストラップを外して、藤原先輩とのことを、なかったように翔と付き合うの……?

それはとてもズルいことのように思えてしまった。

私は先輩のことを、忘れちゃいけない。
先輩を傷付けたことを、忘れちゃいけない。

だから、ストラップはそのまま付けておくことにした。

反省しているのなら、本当は翔と付き合っちゃいけないけど……それが出来ない、弱い私。

ストラップはそんな自分への、自己満足な戒めだった。


……それなのに、私は今何をしているんだろう。

開いた携帯。ディスプレイに映るのは、メールの新規作成。

宛先は……藤原先輩。

どうしても、どうしてもお願いしたいことがあって、私は微かに震える手でメールを打っていた。

私が言うのは逆効果かもしれない。先輩を更に、傷付けてしまうかもしれない。

それでも、これだけはお願いしたくて。

あの人だけは傷付けたくなくて。


……本当、自分勝手な私。

ため息と一緒に、送信ボタンを押した――。