13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


自分でも、何でいきなりこんなことを聞いているんだろうと思うくらい、唐突な質問。

それでも翔は、

「恨んだりとか、そういうのは全くねーよ」

と、素直に答えてくれた。

「何で……?」

付き合ってはいなかったみたいだけど、津田先輩と良い関係だったのは確か。
期待させられていたのに、他の人と上手く行ったから、きっと翔はフラれたわけで……恨むとまではいかなくても、嫌な感情を抱くのが普通。

「何でって聞かれても、理由なんて分かんねーよ」

かったるそうに言う翔。

「……お人好しだね」

翔にも聞こえないくらい、小さな声で呟きながら思い出すのは、

『おめでとうって言えるほど、お人よしじゃないよ?』

そう言った、藤原先輩。

津田先輩と私がしたことは同じ。

なのにどうして、そんな風に思えるの……?

翔と津田先輩の関係と、私と藤原先輩の関係を重ねて考えて、あまりの違いに胸が苦しくなる。

「檜山?大丈夫?」

翔の心配する声に「大丈夫」と答えて、私はやっとドアに手をかけた。

「変なこと聞いてごめんね」
「いや、いいけど……」

「何かあった?」と続けられそうで、聞かれるのが嫌で、私は手にギュッと力を込めて言った。