自分でも、何でいきなりこんなことを聞いているんだろうと思うくらい、唐突な質問。
それでも翔は、
「恨んだりとか、そういうのは全くねーよ」
と、素直に答えてくれた。
「何で……?」
付き合ってはいなかったみたいだけど、津田先輩と良い関係だったのは確か。
期待させられていたのに、他の人と上手く行ったから、きっと翔はフラれたわけで……恨むとまではいかなくても、嫌な感情を抱くのが普通。
「何でって聞かれても、理由なんて分かんねーよ」
かったるそうに言う翔。
「……お人好しだね」
翔にも聞こえないくらい、小さな声で呟きながら思い出すのは、
『おめでとうって言えるほど、お人よしじゃないよ?』
そう言った、藤原先輩。
津田先輩と私がしたことは同じ。
なのにどうして、そんな風に思えるの……?
翔と津田先輩の関係と、私と藤原先輩の関係を重ねて考えて、あまりの違いに胸が苦しくなる。
「檜山?大丈夫?」
翔の心配する声に「大丈夫」と答えて、私はやっとドアに手をかけた。
「変なこと聞いてごめんね」
「いや、いいけど……」
「何かあった?」と続けられそうで、聞かれるのが嫌で、私は手にギュッと力を込めて言った。



