13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……」

思わず止まった私の足。

何を傷付いているんだろう。
フッたのは私なのに、胸がズキズキと痛んで苦しい。

でも、これでいいんだと思った。

私が悪いのだから、許されちゃいけない。許さなくていい。

ポケットに手を入れる。
指にぶつかる冷たい固まりは携帯で、私はそれから伸びるものを探る。

「檜山?」

背後から掛けられた声。
何も考えずに振り向くと、そこにいたのは翔で、驚いた。

「こんな所に突っ立って、何してんだよ?……って、大丈夫?」

私の顔を見るなり、眉をしかめる翔。

「何がっ?」

何か気付かれたかもしれないと思った私は、プイッと顔を背ける……けど、翔は回り込んで、再び私の視界の中に入った。そして、

「檜山、顔真っ青」
「え……」

翔は一言告げると、強引に私の手を引いて、歩き出した。

「ちょっ……何っ!?」

進んでいる方向は、これから授業のある教室とは真逆。

「保健室、連れてってやるから」
「……っ!」

翔の言葉を聞いた瞬間、まるで心臓を捕まれたみたいに、苦しくなって、息を止める。

何で……何で……。

「い……いいってば!」

私は翔の手を、おもいっきり振りほどいた。