「……」
思わず止まった私の足。
何を傷付いているんだろう。
フッたのは私なのに、胸がズキズキと痛んで苦しい。
でも、これでいいんだと思った。
私が悪いのだから、許されちゃいけない。許さなくていい。
ポケットに手を入れる。
指にぶつかる冷たい固まりは携帯で、私はそれから伸びるものを探る。
「檜山?」
背後から掛けられた声。
何も考えずに振り向くと、そこにいたのは翔で、驚いた。
「こんな所に突っ立って、何してんだよ?……って、大丈夫?」
私の顔を見るなり、眉をしかめる翔。
「何がっ?」
何か気付かれたかもしれないと思った私は、プイッと顔を背ける……けど、翔は回り込んで、再び私の視界の中に入った。そして、
「檜山、顔真っ青」
「え……」
翔は一言告げると、強引に私の手を引いて、歩き出した。
「ちょっ……何っ!?」
進んでいる方向は、これから授業のある教室とは真逆。
「保健室、連れてってやるから」
「……っ!」
翔の言葉を聞いた瞬間、まるで心臓を捕まれたみたいに、苦しくなって、息を止める。
何で……何で……。
「い……いいってば!」
私は翔の手を、おもいっきり振りほどいた。



