13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


パタンと、音を立てて閉めたドア。

お母さんが心配した理由は、私が一番よく分かってる。

下を向いた瞬間、零れるように落ちた雫。

「…っ……」

心配されたのは、私が泣いていたから−…。


泣いたって許されないことは、分かってる。

むしろ、泣いている私はずるいと思う。

藤原先輩と別れたかったくせに。
翔と付き合いたかったくせに。

泣く資格なんかないのに、

涙はぽろぽろと止まらない。


脳裏に浮かんで、私を離さないのは…最後に見た、先輩の寂げな笑顔。

別人みたいだった怒った表情よりも、そっちの方が苦しくて、

藤原先輩を深く傷付けてしまったことに、初めて気付いた…。


ドアに背中をピッタリとくっつけたまま、私はズルズルとその場に座り込む。

そして、鞄をあさって携帯を取り出した。

ゆらゆらと揺れるのは、先輩から貰ったストラップ。

それを見て思い出したように、ゆっくりと顔を上げて、私が見たのは勉強机。

そこには、私のキャラじゃない、可愛いテディーベア。

それは、クリスマスに藤原先輩がくれた物。