13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


うそ……。

頭の中が真っ白になる。

「無理して忘れなくていいって言ったの、俺だけどさ…さすがにちょっと酷くない?」

待って。状況が飲み込めない、整理がつかない。

「佳奈ちゃんの話って、俺と別れたいってことでしょ?」

何も言えない。
何を言ったらいいのか、分からない。

ただ…

「いいよ、別れるよ。二股かけられるのは、さすがに無理だし」

先輩の言葉が、鋭く胸を刺す。

「……」

藤原先輩って、こんな事を言う人だった…?

目の前に居る人が、別人のように感じられて、怖くて顔が見れない。

何の言葉も発っせられず、立ち尽くす私を横目に、先輩は立ち上がって、手をはたいた。

「…用事あったのに、引き留めてごめん。じゃあ」

そう言って、先輩が私の横を通り過ぎた瞬間、フッと冷たい風が吹く。

遠ざかる足音。
先輩が離れて行くのに、私は動こうとしない。

言わなきゃいけないことが、あるはずなのに…頭の中が空っぽになったみたいに、考えられない。


「佳奈ちゃん」

ビクッ

立ち去ったはずの先輩が、私を呼んだ。