13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「ひゃっ…」

あまりに不意だったから、私は先輩の方に倒れかける…と、

え……?

先輩が、顔を近付けた−…。

「……いやっ!」

ドンッ!

お互いの唇が、触れそうになった瞬間。

私は思いっきり、先輩を突き飛ばしていた。

「…って……」

その反動で、尻餅を着く形で倒れた先輩。

「ごめんなさいっ!」

慌てて手を差し出すけど…
先輩は私の手を取らない。

それどころか、

「ふっ…ははっ…」

座るように倒れて俯いたまま、何がおかしいのか、いきなり笑い出した。

「先輩…?」

恐る恐る声をかけると、先輩は笑うのを止める。

そして…

「俺、そんなお人よしじゃないよ?」

顔を上げた先輩。
いつもある笑顔が…そこには、ない。

あるのは……藤原先輩とは思えない、冷やかな表情。

「佳奈ちゃんが岡田と付き合うの、おめでとうって言えるほど、お人よしじゃないよ?」

「なっ…!」

何で知ってるの−…?

ひどく驚く私を、先輩の言葉が更に驚かす。

「昨日二人が話してんの、聞いてたんだ」