13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「…先輩の話は何ですか?」

言わなくちゃ…そう思いながらも、逃げてしまった。

ううん、ちゃんと言う。
ただ、顔を合わせたばかりで、切り出しにくくて…ほんの少し、心を落ち着かせる時間が欲しかった。

「俺の話はね…」

私の顔をじっと見る、藤原先輩。

そういえば、自分のことでいっぱいで、先輩からの“話”の内容を想像することさえ、忘れていた。

何…だろう。

真面目な先輩の表情に、何だか凄く嫌な予感がして、息を飲む私に、先輩はふっと微笑んだ。

そして、

「佳奈ちゃんが好きだよ」

え……。

「何…ですか、急に…」

顔が引き攣る、声が震える。

「話。佳奈ちゃんが好きだよってこと」
「それだけ……ですか?」
「うん。忙しいのに、そんなことで呼び止めちゃって、怒った?」「いえ……」

微笑む先輩の顔を、私は真っ直ぐ見れない。

好き…なんて、言わないで。

私が今から…今から先輩にしようとしている話は−…。

「それで、佳奈ちゃんの話は何?」

「え……あ…の…」

どうしよう−…。

自分の口なのに、そうじゃないみたいに動かない。