今さっきまで、藤原先輩と一緒に居たのに、
“話がある”なんて、気になる発言だってされたのに、
先輩が教室に来たときも、廊下で話しているときも、
私の頭の中はずっと、「翔に見られたらどうしよう」ってことばかりで…
おかしいくらい、翔のことでいっぱいだった…。
「佳奈、今の人って誰?」
茫然と立ち尽くす私に、クラスメートがニヤニヤしながら、話し掛けて来た。
「……バレー部の先輩…だよ」
本当は、クラスメートが期待した通りの人。
だけど私は、“彼氏”だと言えなかった。
今までみたいに、からかわれるのが嫌だとか、恥ずかしいとかじゃない…。
自分の気持ちが、ごまかせなくなっていた。
藤原先輩と付き合っていながら、翔と付き合うと言い出した私。
これからどうするか…答えはもう見えている。
“話があるんだ”
そう言った藤原先輩。
私も…
私も話をしなくちゃ−…。
そして、放課後を迎えた。



