「無理ならいいよ」
藤原先輩は、そう続けてくれて、
今すぐにでも「無理」と、断ってしまいたい。
だけど…
「大丈夫…です」
それは、出来なかった。
どうしてだろう…。
先輩は微笑っているのに、威圧感のようなものを感じて、
断るなんて、許されないような気がした−…。
「ありがとう。じゃあ、放課後に」
「はい…」
これほどにないくらい、重たい返事。
「いきなりごめんね」と、優しい言葉を掛けて、背を向ける先輩に、私は無理矢理笑顔を作った。
でも、その笑顔をすぐに消して、私は焦って廊下を見渡す。
居ない…居ないよね?
ある人が近くに居ないと分かると、急いで教室へと戻った。
良かった…まだ帰って来てないみたい…。
昼休憩に入るなり、友達と教室を出て行った…翔。
翔がまだ、教室に戻って来てないことを確認して、安心する…けど、
「−……」
ふと我にかえって、自分の行動に不信感を抱いた。



