13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「無理ならいいよ」

藤原先輩は、そう続けてくれて、
今すぐにでも「無理」と、断ってしまいたい。

だけど…

「大丈夫…です」

それは、出来なかった。

どうしてだろう…。
先輩は微笑っているのに、威圧感のようなものを感じて、

断るなんて、許されないような気がした−…。


「ありがとう。じゃあ、放課後に」
「はい…」

これほどにないくらい、重たい返事。

「いきなりごめんね」と、優しい言葉を掛けて、背を向ける先輩に、私は無理矢理笑顔を作った。


でも、その笑顔をすぐに消して、私は焦って廊下を見渡す。

居ない…居ないよね?

ある人が近くに居ないと分かると、急いで教室へと戻った。

良かった…まだ帰って来てないみたい…。

昼休憩に入るなり、友達と教室を出て行った…翔。

翔がまだ、教室に戻って来てないことを確認して、安心する…けど、

「−……」

ふと我にかえって、自分の行動に不信感を抱いた。