「可愛そうだから…って、そんなお節介いらねーよ!」
「…あっそ」
私はこんなに胸が苦しいのに、あくまで翔はいつもの態度で、悲しい気もすれば、ムカつく気もする。
「そんなこと言ってたら、誰も翔の彼女になんか、なってくれないんだからね」
素直になるのは、凄く難しいのに、何で気持ちを隠そうとすることは、簡単なんだろう。
「檜山、俺が結構モテるの、知らねぇの?」
「しらなーい。翔がいつモテたのよ?たった今フラれた人が」
こんなこと言いたいわけじゃないのに…私の口から出るのは、捻くれたことばかり。
「…」
返事をしない翔。
「ちょ、ちょっと…何か言い返し−…」
怒ってしまったのかと、焦って翔を見ると、怒るどころか…
物寂しげに、微笑んでいた。
「確かに…好きな人にフラれてちゃ、意味ないよな」
静かにに呟いて、翔は立ち上がる。
その瞬間、フッと冷たい風が小さく吹き抜けた。
違う…違う…。
私は翔にこんな顔をさせる為に、ここに来たんじゃないのに!
「翔っ」
「…いいよ」



