13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


翔が平気そうだったら、声なんて掛けず、すぐに帰るつもりだった。

だけど、体育館の扉から覗いた翔の横顔。

とても切なそうだったから…

放っておけなかった。


…なんて言ってしまえば、私は翔を心配する“良い人”。

嘘じゃない。
心配してたのは、嘘じゃない。


でも、

翔が心配なだけ…そう都合良く、自分自身に思い込ませがら、

本当は自分のためだった。


嫌われるのは怖い。

だけど、嫌われているのかどうなのか…ちゃんと知りたかった。

結果、朝睨まれたのは、私を嫌ってのことじゃないと知れて、安心した。


そして、“友達”として普通の会話が出来ていること。

この状況が幸せだと気付いた。

嫌われていないと分かっただけで、充分。

憎まれ口を叩き合う仲でも、友達として居られれば、それだけでいい。


そう思っているのに…

どうして?



「…付き合うっ!!」


自分が今、何を言っているのか、何をしようとしているのか…分からなかった。