どうしてだろう…今日の檜山は、いつもと違う気がする。
目の敵にしてるのは、そっちなんじゃないか…って思うほど、普段俺に対して、刺のある言葉ばかり吐く檜山。
ツンとした態度は相変わらずだけど、今日は感じる雰囲気が、いつもより優しくて、喋り易い。
「檜山は…俺と苺先輩のこと、詳しく知りたいとか思わねぇの?」
だから、ふと頭に浮かんだ疑問を、何も考えずストレートに投げ掛けていた。
「そんなの聞いて欲しくないでしょ。それに過去のことなんて興味ない」
一見、素っ気ないように聞こえる返事。
だけど、心配するフリをして、色んなことを聞き出そうとするクラスメート達より、馬鹿にするだろうと思っていた檜山の方が、ずっと俺のことを分かってくれてて、俺はフッと苦笑した。
檜山は「何笑ってんの?」と言わんばかりの不振な目で見ながら、
「これからどうすんの?また中学の時みたいに、適当に付き合ったりすんの?」
全く考えもしていなかったことを、聞いてきた。
これから…誰かと付き合う…。
不意に“誰か”を想像してみたら、苺先輩が浮かんだ。



