「あんなに苺先輩の話ししといて、実はフラれてたとか…カッコ悪すぎだろ」
思い返せば、苺先輩のことを好きだと、一番始めに打ち明けた人は檜山で、告白することも宣言していた。
中学からの俺達の仲を考えれば、
「ぜってー馬鹿にされると思ったんだよ」
だから確かに今朝、みんなに説明した時、檜山と目が合って嫌な顔をしたかもしれない。
「睨んだつもりはなかったんだけど、睨んだように見えたなら…ごめん」
「……バカ」
檜山の口から、小さく言葉が漏れ、
「馬鹿にされるって、どんだけ私性格悪いのよ!」
素直に謝ったにも関わらず、檜山はまた耳を引っ張った。
だけど、その力はかなり弱く、「痛い」と言う前に離されて、
「良かった…」
目に映ったのは、穏やかに微笑む檜山。
え……。
初めて向けられた表情に、俺が目を丸くすると、それに気付いたのか、
「あっ!ち、違うんだから!変な勘違いしないでよっ!?」
檜山は慌てて何かを訂正した。
「はぁ…」
俺には全く意味が分からなかったけど、とりあえず頷いた。



