13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「朝、私見て睨んだじゃん」

こっちを向く檜山。
眉間にシワを寄せて、怒った表情…なのに、その目には涙が浮かんでいるようにも見えた。

な…何だよ…。

「そうだっけ?」

檜山が俺に睨まれたくらいで、泣くわけない。見間違いに決まってる。

だけど、何だか妙に戸惑って、顔を逸らした。

すると、

「しらばっくれないでよ!」

檜山の声と同時に、片耳に突然痛みが走る。

「いてっ!いてて!いてーって!!」

やっぱりこいつが泣くわけない!

思いっ切り耳を引っ張られて、そう確信した。

「ちぎれる!離せって!」
「じゃあ、何で何もしてない私を睨んだのか、ちゃんと説明してよ」
「分かった!分かったから!」

俺が降参すると、手はパッと離されて、解放される。

全く…信じらんねぇ。

「…カッコ悪すぎだろ」

じんじんと痛む耳を、摩りながら答えた。

「……何が?」

檜山は何のことだか、さっぱり分かっていない様子で、俺は深くため息をついた。

だから、こんなこと言いたくないのに…。