自分の好きな人が他の男と結ばれて、“良かった”なんて思っている俺は、お人よしだろうか。
それでもいい。
苺先輩が幸せだと思うと、笑顔になれる…そんな自分の方が好きだから。
ただ…ひとつだけ、心が晴れないことがある。
ポケットから取り出した携帯電話。
開いて見ると、着信もメールも来ていなくて、肩を落とす。
今日…というより、冬休みに入ってから、苺先輩と一度も話していなければ、会ってもいない。
なのに、苺先輩たちが付き合い始めたのはクリスマスだとか、流出元の分からない情報が、第三者からどんどん入って来て…。
付き合っているという事実すら、クラスメートに聞かされたものだった。
俺に会いにくいのは、すごく分かる。
だけど、ちゃんと苺先輩の口から、報告を受けたい。
そう思わずにはいられなくて、ずっと待っていた。
放課後になっても、連絡は今だない。
だけど、苺先輩は絶対に来てくれる。
根拠なんてないけど…
そう信じていた。



