そのまま、無言で自分の机の上の鞄を取って、足早に教室を後にした。
さやかちゃんに謝った通り、彼女の発言に共感する気持ちもあれば、少しムッとした気持ちも正直あった。
翔と津田先輩の、今の関係なんて分からない。
でも、津田先輩が翔に会って、どうしたいのかは、何となく分かる気がする。
少なくとも、翔に片思いをしている人が不安に思うような、中途半端なことは絶対しない。
そう確信しているから…私は津田先輩に、翔の居場所を教えた。
津田先輩のこと、
苦手だけど…嫌いじゃないから。
玄関に着いて、下駄箱から靴を取ろうとする。
そこで私の動きは止まった。
……大丈夫…かな…?
ふと思い出すように考えた、翔のこと。
津田先輩が何をするのか、想像がつくからこそ、心配になった。
ひとりで大丈夫かな…。
靴へと伸ばした手を、引き戻そうとして…またすぐ靴に手を伸ばした。
私が心配したって、迷惑なだけだよね…。
今朝の翔の私を見た顔が、頭に浮かぶ。
嫌われてるんだから…。
これ以上関わったら、もっと嫌われる。だから、帰ろう。
そう自分に言い聞かせて、靴を持ち上げた。
でも−…。



