13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「みんなも!先輩の悪口言うなよー?」

翔は思い出したように、辺りを見渡しながら、クラス全体に言った。

その時、

「−……」

不意に…目が合った。

そして私を見た翔は、少し目を見開いた後…眉を潜ませた。

な、何−…?

思った瞬間、目は逸らされて、それはほんの2、3秒の出来事。

私が先輩の悪口を言うなんて、翔が思うわけないし、特に深い意味はなかったのかもしれない。

だけど、

何で…そんな顔すんのよ…。

翔が私に見せた顔は、“不快”そのものだった。

意味もなくあんな顔されたら、普通なら怒ってる。
「何よ!」って、いつもみたいに喧嘩腰で。

なのに、とても怒る気にはならない。
それどころか、「私、何かしたっけ…?」と、必死に自分の否を探してる。


ドクンドクンと、疼く鼓動。

何で……苦しい。


想いは報われなくて、嫌われてもいいと思ってた。

むしろ、その方が楽だ…って。

だけど、津田先輩と付き合っていないのを知った今、

翔に嫌われるのを、恐れてる−…。