13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


翔の行動に、騒がしかった教室が、しん…と静まり返る。

みんなの視線は、翔ただ一人へ。

「もう一回言うけど…」

それでも、怯む様子なんて全く見せず、怠そうに口を開いた翔。

告げられた真実は…


「俺、先輩と付き合ってなんかないから!」


「え…」

意味が…分からない。

付き合ってないって…どういうこと…?

理解出来ないのは、私だけじゃなかったみたいで、一気にざわつく教室。

「翔!お前、あの小さい先輩のこと好きって言ってたじゃん」

クラスメートの男子が面白半分で言うと、

「だから、ただ俺が片思いしてただけ!付き纏ってたから、そういう風に見えたかもしんないけど…実はすぐにフラれてんだよ。

恥ずいから、これ以上言わせんな!」

翔はそう言って、舌をべーっと男子に向かって出した。

そして、椅子の上からピョンッと飛び降り、

「ちゃんとみんなに説明したから!これで、俺からこの話は終わりな!」

大きな声で言うと、未だざわついているみんなを無視して、勉強道具を鞄から机の中へ、移し始めた。