13センチの片想い。私とアイツの恋の距離




階段を急いで登って、真っ直ぐ教室へと向かう。

さっきまで一緒に話していた友達を、どうしてきたのか分からない。

気付いたら走っていて、いつの間にか教室のドアの前まで来ていた。

胸がざわざわして苦しい。

どういうこと…?

王子先輩の彼女が…何で津田先輩なのっ!?


勢い良くドアを開けるなり、目に飛び込んできたのは、教室の真ん中に出来た、人だかり。

そして、耳に入ったのは、

「だから誤解だって!ご、か、い!」

呆れたように喋る、翔の声−…。

人だかりの中心に、翔が居ることを悟って、私は一歩一歩ゆっくりと近付く。

「先輩と付き合ってたんじゃねーの?」とか、「翔くん二股掛けられてたの?」とか、思い思いの質問を口にするクラスメートたち。

みんな…知ってるんだ…。

王子先輩たちが、如何に知名度の高い人だったか…そして、噂が広まる早さを肌で感じて、ちょっと怖くなった。


クラスメートたちの間から覗くと、翔は何時になく困った表情を浮かべ、ため息をついていた。

そして…

何を思ったのか、机から椅子を引いて、その上に立った。