13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


「ふあぁー…」

学校へと続く、桜並木道を歩きながら、大きな欠伸をひとつ。

クリスマスが終わって、お正月が過ぎて…あっという間に新年。初登校の日を迎えた。

夏休み明けほどじゃないけれど、長い休み明けの学校はだるい。

この気持ちを素直に口にすると、帰宅部や文化部の子に「休み中も部活あったんでしょ?」と、よく笑われる。でも、やっぱり別。

部活は疲れるけど、楽しい。
勉強は出来ないわけじゃないけど、頭が痛くなる。


次第に見えてくる校舎を眺めながら、また部活と勉強に追われる、平凡な高校生活が始まるんだ…と思った。


だけど、


「…佳奈っ!」

「おはよう」も言わず、後ろから私の肩を掴んで呼び止めた、クラスメートの友達。

「お…はよう。どうしたの?」

振り返って見れば、怖い顔をして肩を大きく上下させていて、何かがあったのは一目瞭然。

「王子先輩が…藤堂先輩と別れたんだってっ!!」

……。

友達はビックニュースとばかりに、すごい勢いで言った。

空気を読むと、ここは「えぇー!?」と驚くべき。それは分かる。