だけど、どんなに必死に走っても、見付かるわけがなくて、
2、30メートルした所で、走るのを止めた。
何やってるんだろ…。
笑いみたいなため息を落として、空を見上げる。
黒い空から、まるで自分を中心とするみたいに、止めどなく降ってくる白い雪。
本当にホワイトクリスマスになった。
苺先輩は…この雪を見てるかな?
今、何してるんだろう…。
何を…誰を…想ってるんだろう。
幸せだと…いいな。
「いちご…」
空に向かって吐いた言葉。
雪に負けず劣らず白い息。
「…の、ショートケーキ食べたい」
誰も聞いてなんかいないのに、恥ずかしくなって、ごまかした。
そんな自分の行動に、ふっと笑って、俺は家路に向かって歩き出す。
家に帰れば、きっと母さんが、二人じゃ食べ切れないほどの、大きなケーキを用意して待っている。
そのケーキが、イチゴのショートであることを願いながら。
クリスマスイヴに降った雪。
これがあの日の桜に見えたのは、決して偶然ではなくて。
キミが幸せを手に入れたこと。
神様がそっと、教えてくれたのかもしれない−…。



