なのに−…。
「ううん、大丈夫!私が当たったの、本当に冴えない文房具だったし。それ、持ってていいよ」
迷うより早く、私は友達の申し出を断っていた。
「でも…」
友達は「どうして?」とばかりに、目をきょとんと見開く。
悪いことを隠すみたいに、胸がドクンドクンと疼くのは何故だろう。
「実は…さっき先輩にプレゼント貰ったんだ」
声が漏れないように手で隠して、その子だけに聞こえるように、耳元で言った。
誰にも言うつもりなかったのに…。
…何だかとても焦ってる。
「そうなんだ!じゃあ、お言葉に甘えて、これ貰っとくね」
ごく自然な形で納得してくれた友達に、ホッとしながら私は頷いた。すると、友達は笑顔で質問を続ける。
「先輩に何貰ったの?」
「まだ開けてないから分かんない」
「そっか。でも、好きな人からなら、何でも嬉しいよね」
「…」
“好きな人からなら、何でも嬉しい”
当たり前なその言葉が…胸に刺さる。
盗み見するみたいに、そっと藤原先輩の方を見ると…先輩はまた翔と、仲よさ気に話していた。



