13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


なのに−…。

「ううん、大丈夫!私が当たったの、本当に冴えない文房具だったし。それ、持ってていいよ」

迷うより早く、私は友達の申し出を断っていた。

「でも…」

友達は「どうして?」とばかりに、目をきょとんと見開く。

悪いことを隠すみたいに、胸がドクンドクンと疼くのは何故だろう。

「実は…さっき先輩にプレゼント貰ったんだ」

声が漏れないように手で隠して、その子だけに聞こえるように、耳元で言った。

誰にも言うつもりなかったのに…。
…何だかとても焦ってる。

「そうなんだ!じゃあ、お言葉に甘えて、これ貰っとくね」

ごく自然な形で納得してくれた友達に、ホッとしながら私は頷いた。すると、友達は笑顔で質問を続ける。

「先輩に何貰ったの?」
「まだ開けてないから分かんない」
「そっか。でも、好きな人からなら、何でも嬉しいよね」
「…」

“好きな人からなら、何でも嬉しい”

当たり前なその言葉が…胸に刺さる。

盗み見するみたいに、そっと藤原先輩の方を見ると…先輩はまた翔と、仲よさ気に話していた。