13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


バレンタイン…って、まだまだ先の話。

「いえ、それより早く、何かプレゼントします」

それが当然だと思った。だけど、先輩は首を横に振る。

「バレンタインに、佳奈ちゃんの手作りチョコが欲しいな」

わざわざ言われなくても、バレンタインはバレンタインで用意するのに。

先輩の方こそ、遠慮しなくていいのに…。

心の中で思ったけど、口には出せなくて、

「…分かりました」

参りましたとばかりに、私が返事すると、先輩は「やった!」と、本当に嬉しそうに笑った。

さすが先輩と言うべきか…本当に藤原先輩には、上手く扱われてる気がする。

「じゃあ、戻ろっか」
「え、戻るんですか?」
「え…?」

漫画やドラマの展開を想像して、このまま何処かに行くんだと、勝手に考えていた私。

でも先輩のきょとんとした表情に、それは私の勘違いだと気付く。

「…あ!いえ、何でもないです!」

何だか良からぬことを期待してたみたいで、恥ずかしさから一瞬にして顔が火照る。

そんな私を見て、藤原先輩はクスッと小さく笑った。