もしかしたら、私の用意したものかもしれない。
袋を見れば、違うことは一目瞭然なのに、一瞬だけ訳の分からない期待をした。
「…これ」
浮かない顔をしながら、翔が袋から取り出して、見せてくれたものは…
うさぎのぬいぐるみ。
「可愛い…可愛いじゃん。あははっ」
「笑うなよ!」
「だって、可愛いんだもん!」
翔がうさぎのぬいぐるみを手にしている姿は可笑しくて、笑いが止まらない。
「俺、こんなん貰っても困るし、くれた人に言って誰かと交換しようと思ったんだけど…」
うさぎを片手にキョロキョロと辺りを見渡すけど、みんなそれぞれの会話に夢中になっていて、誰か名乗り出る様子はない。
「ちびっ子の翔にはお似合いだと思うけどー?」
「…怒るぞ」
「怒れば?翔が怒っても怖くないし」
「檜山!」
翔がまた、身を身を乗り出した時だった。
「佳奈ちゃん、ちょっといい?」
聞こえた声、見えた姿にドキッと…いや、ヒヤッとした。
「あ、藤原先輩」
振り返った翔が、無邪気に彼の名を呼ぶ。



