13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


もしかしたら、私の用意したものかもしれない。

袋を見れば、違うことは一目瞭然なのに、一瞬だけ訳の分からない期待をした。


「…これ」

浮かない顔をしながら、翔が袋から取り出して、見せてくれたものは…

うさぎのぬいぐるみ。

「可愛い…可愛いじゃん。あははっ」
「笑うなよ!」
「だって、可愛いんだもん!」

翔がうさぎのぬいぐるみを手にしている姿は可笑しくて、笑いが止まらない。

「俺、こんなん貰っても困るし、くれた人に言って誰かと交換しようと思ったんだけど…」

うさぎを片手にキョロキョロと辺りを見渡すけど、みんなそれぞれの会話に夢中になっていて、誰か名乗り出る様子はない。

「ちびっ子の翔にはお似合いだと思うけどー?」
「…怒るぞ」
「怒れば?翔が怒っても怖くないし」
「檜山!」

翔がまた、身を身を乗り出した時だった。


「佳奈ちゃん、ちょっといい?」

聞こえた声、見えた姿にドキッと…いや、ヒヤッとした。

「あ、藤原先輩」

振り返った翔が、無邪気に彼の名を呼ぶ。