13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


目に入るのは、大きなテレビに映る、流行りの歌の歌詞。

耳に入るのは、あまり上手いとは言えない男子の歌声と、それをそっちのけで喋る女子の声。

こんな部屋があったんだと、驚くくらいに広いカラオケの一室で、バレー部のクリスマス会は行われていた。


男女混合で集まったのに、座ってみれば、綺麗に男子と女子で別れているから面白い。

クリスマスイヴ当日ということで、当然参加出来ない人も居て、
集まったのは、男女合わせて20人ほど。

正直言うと、本当は私も参加したくはなかった。


「佳奈っぺ、次歌う?」
「え?私はいいですっ」

先輩にリモコンを渡されそうになって、慌てて断る。

別にカラオケが嫌いなわけじゃないけど、こんな大人数の中では、さすがに歌いにくい。

もっと他に良い場所なかったのかな…と、思うけど、初めに企画しようとしていた体育館よりは全然マシだ。
こんな真冬に体育館に集まっても、寒いだけだから。

「もー佳奈、盛り上がって!」

先輩と楽しそうにお喋りしていた友達が、目くじら立てる。

「ごめんごめん」