13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


翔と同じクラスになれた。

クラスの振り分けを見て、すごく喜んだ私だけど、
なかなか翔は来なくて…
チャイムが鳴っても来なくて…。
メールを送っても返事はなくて…。

同じ中学の子と話してる時は、

「休みじゃない?バカだね」

なんて、笑ってたけど…

心の裏では、何かあったんじゃないかと心配していた。


そんな、心配していた翔が来たのに、私の顔に笑顔は生まれなかった。

翔は女の子の手を引いて、入って来たから-…。



パタパタパタ…

翔が間違えて連れて来た、2年生女子の軽い足音が、響いていた。
それは、次第に遠くなる。

「岡田くんも席に着いて」
「はい」

クラスには軽い笑いが起こるけど、翔は無表情のまま、一つ空いた席へと移動する。

珍しい…。
こういう時、翔はふざけて笑うタイプなのに…。

「じゃあ………」

また、先生が話を続けるけど、私の頭には入らなくて、目はずっと翔を見る。

出席番号順に並んだ机。
“岡田”と“檜山”だから、当然離れている。

話をしたくても、出来る様な距離ではない。