13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「体育館、寒そー」

身を震わせ言う友達は、バレー部に相応しく背が高い。
俺が前に居ても、全然邪魔じゃなさそうに窓の外を見ている。

顔には出さないけど…こんな時、何だか悔しくなる。


「そういえば、翔はクリスマス会のこと聞いた?」
「クリスマス会?何だそれ」

どちらかともなく、体育館に向かって歩き出した。

「何かバレー部で24日に集まって遊ぼう…って、話らしい」
「24日…って、イヴに?」

クリスマスイヴと言えば、恋人と過ごす日。そのイメージが強すぎて、そんな日に集まらなくても…と、苦笑する。

「あ、翔は彼女と遊ぶ組?」

ニヤッと笑って言われた言葉。
一瞬、何を言っているのか分からなかったけど、すぐに言葉の意味を察して、

「彼女なんか居ねーし!」

否定すると、

「え?あの2年の女子は?別れたわけ?」

友達は、本気で驚いた様子で聞き返して来た。

やっぱり、苺先輩と付き合ってると、まだ思ってんだ…。

「別れたも何も、付き合ってねーよ。俺がただ…付き纏ってただけ」