「体育館、寒そー」
身を震わせ言う友達は、バレー部に相応しく背が高い。
俺が前に居ても、全然邪魔じゃなさそうに窓の外を見ている。
顔には出さないけど…こんな時、何だか悔しくなる。
「そういえば、翔はクリスマス会のこと聞いた?」
「クリスマス会?何だそれ」
どちらかともなく、体育館に向かって歩き出した。
「何かバレー部で24日に集まって遊ぼう…って、話らしい」
「24日…って、イヴに?」
クリスマスイヴと言えば、恋人と過ごす日。そのイメージが強すぎて、そんな日に集まらなくても…と、苦笑する。
「あ、翔は彼女と遊ぶ組?」
ニヤッと笑って言われた言葉。
一瞬、何を言っているのか分からなかったけど、すぐに言葉の意味を察して、
「彼女なんか居ねーし!」
否定すると、
「え?あの2年の女子は?別れたわけ?」
友達は、本気で驚いた様子で聞き返して来た。
やっぱり、苺先輩と付き合ってると、まだ思ってんだ…。
「別れたも何も、付き合ってねーよ。俺がただ…付き纏ってただけ」



