13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


その声に驚いたのか、怯えたのか、私の体はビクッと反応して、

それを見た先輩は、きょとんとした顔をした後、笑った。

「…」

恥ずかしい…と、思いながらも、先輩が見せた笑顔に、場の雰囲気が少し和んだ気がしてホッとする。

「渡すの忘れるとこだった」

先輩は、どうして今まで喋らなかったのか、疑問に思うくらい普通な態度で、ブレザーのポケットに手を伸ばし、中から何かを取り出した。

「はい、お土産」

差し出されたのは、小さな紙袋。

「あ…ありがとうございます」

私はそれを受け取って、中身をすぐに開けてみた。

出て来たのは…

「ストラップ?」

金色のハイビスカスのモチーフと、その隣に赤いビーズのような玉が一つ付いた、小さなストラップ。

「その赤いの、深海珊瑚なんだ。珊瑚には魔除けとか、厄除けの意味があるんだって」

そうなんだ…。

「じゃあ、お守りになりますね」

言いながら、私は赤珊瑚を人差し指でツンと触れる。

「可愛い…」

続けてもう一度、お礼を言おうとしたのだけど、

「あ、笑ってくれた」

先に先輩に言葉を被せられた。