13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


帰り道。
私と先輩の間に、会話はない。

苦しいほど、気まずい雰囲気。

玄関での出来事から、ずいぶん時間は経ったはずなのに、私の心臓はまだ、ドクンドクンとうるさい。

もともと私は、ベラベラ話す方じゃないし…ましてや、さっきの今で、自分から話し掛ける勇気なんてない。

先輩から話してくれれば良いのに…なんて思ってしまうけど、会話がないのは、やっぱりショックを受けているからだろうか…。

ていうか、先輩は私のこと、本当に好きなの…?

告白された時、夏祭りより前から気になっていたと言われた。
だけど、夏祭り以前に関わったことがないことは、自分が一番良く知っている。

本当は、私が失恋して可哀相だったから…とかじゃないのかな…。

顔を見れば、少しは気持ちが分かるかもしれない。
だけど、何故だか怖くて、それは出来ずに、前だけを向いてひたすら歩いていた。


もうすぐ家に着く…。

このままじゃ、きちんと「おやすみなさい」すら言えない気がして、焦り始めた時だった。

「あ…」

今まで黙っていた先輩が、突然声を発した。