「えっ!?」
後ろから聞こえた声に、私はまた驚いて振り返ると、
視界に飛び込んで来たのは…黒い制服のズボン。
ハッと直ぐさま上を見上げると、
「いつから友達に格下げになったの?」
藤原先輩が、私の後ろに立って苦笑していた。
「いっ、いつから居たんですかっ!?」
「ちょうど、友達待ってる…って言われたとこくらいかな?」
「……」
ドクン、ドクンと鳴る心臓。
さっき翔に驚かされた時とは違って、血の気が引いていくような感覚。
「ごめん…なさい…」
私の気持ちを知っている先輩に、上手い言い訳なんて見付かるわけない。
最低なところ…見られた。
ショックを受けて、言葉を失う私。
「ごめん、ちょっとイジメた」
先輩はフッと笑って、両肩をポンポンと、慰めるみたいに叩いた。
「気にしないで。それでも良いって言ったの、俺だから」
「帰ろ」と、続けて声を掛けて、先輩は自分の下駄箱へと向かう。
「……」
気にしないなんて、無理。
気まずくて、一緒に帰りたくないと、初めて思った。
だけど、ここで断ることこそ出来なくて、私は重たい腰を上げた。



