13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「えっ!?」

後ろから聞こえた声に、私はまた驚いて振り返ると、

視界に飛び込んで来たのは…黒い制服のズボン。

ハッと直ぐさま上を見上げると、

「いつから友達に格下げになったの?」

藤原先輩が、私の後ろに立って苦笑していた。

「いっ、いつから居たんですかっ!?」
「ちょうど、友達待ってる…って言われたとこくらいかな?」
「……」

ドクン、ドクンと鳴る心臓。
さっき翔に驚かされた時とは違って、血の気が引いていくような感覚。

「ごめん…なさい…」

私の気持ちを知っている先輩に、上手い言い訳なんて見付かるわけない。

最低なところ…見られた。

ショックを受けて、言葉を失う私。

「ごめん、ちょっとイジメた」

先輩はフッと笑って、両肩をポンポンと、慰めるみたいに叩いた。

「気にしないで。それでも良いって言ったの、俺だから」

「帰ろ」と、続けて声を掛けて、先輩は自分の下駄箱へと向かう。

「……」

気にしないなんて、無理。

気まずくて、一緒に帰りたくないと、初めて思った。

だけど、ここで断ることこそ出来なくて、私は重たい腰を上げた。