13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


薄暗く寒い玄関の隅に座って、私はまた部活終わりに、先輩を待つ。

一週間前と何も変わらない。

ただ決定的に違うのは、ぐるぐる、ぐるぐる…翔のことばかり考えていること。

先輩たちが戻って来ても、部活に来ていた。

それはやっぱり、入部したってこと…だよね。

せっかく忘れようとしてたのに。
恋した姿の翔が、近くに居るのは…想像以上にツライ。


「あーもうっ!」

考えるのは止そうと思っていたのに、結局考えてしまっている自分に腹が立って、
誰も居ないのを良いことに、思いのまま叫んだ。

すると、

「檜山?何してんの?」

「っ!?」

誰かが居たなんて、全く思っていなかった私は、聞こえた声に驚いて振り向く。

そして、

「ぎゃっ…!!」

声を上げて、更に驚いた。

だって、そこに居たのは…翔。

「化け物見たような声出すなよ。ビビったのは、こっちだっつーの」

翔は怠そうに鞄を肩に抱えて、何の躊躇いもなく近付いて来る。

驚いたせいで、胸のドキドキが止まらない私は、思わず顔を背ける。