13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

☆翔side☆


2年生が修学旅行から戻って来た翌日。

少しだけ寝坊をした俺は、走って学校へと向かっていると、前を歩く小さな女の子を見付けた。

「苺先輩っ、おはよ!」
「あ、おはよう」

4日ぶりに見る、苺先輩の笑顔。

「何か良いことあった?」
「えっ」
「何かめっちゃ嬉しそう」

理由を知ってるくせに、わざと意地悪なことを言うと、

「そ、そうかな?」

“困ったな”って顔をして、苺先輩は目を逸らした。
そんな仕種が可愛らしくて、

「なになに?」

ついつい追い詰めてしまう。

「えっと…」

言葉を詰まらせる苺先輩。
俺に遠慮していることは、すぐに分かった。

そんなの、必要ないよ。

だから、

「西藤先輩?何か進展?」

自分から先輩の名前を口にした。

すると、苺先輩は顔を赤くして、更に気まずそうな顔をする。

素直すぎる苺先輩。
その姿に苦笑していると、

「…あ」

ある人が近付いてくるのに気付いて、

「頑張って」
「えっ…」

俺は苺先輩を置いて走り出した。


近付いて来ていたのは…西藤先輩。

後ろから、苺先輩の驚いた声が微かに聞こえ、口角が少し上がる。


もう、振り返らない-…。