13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

☆翔side☆


『苺と王子、時間の問題かも。』

バレー部の練習が終わって帰宅途中、もう家の前…という所で、メールが届いた。

差出人は修学旅行中の中野先輩。苺先輩の親友。

文中の“王子”というのは、西藤先輩のこと。

やっと…やっとか…。

苺先輩のはにかんだ笑顔を想像して、携帯のディスプレイに向かって微笑んだ。


苺先輩は知らないだろうけど、中野先輩は何かとメールをくれる。

今日の顔文字も絵文字も付いてないメールは、中野先輩が伝えるべきか、伝えるべきじゃないか、悩んだ内容という証拠だろう。
それでも、伝えるという結論に至ってくれたのが、嬉しかった。

俺はもう大丈夫。
ただ、苺先輩が笑顔で居てくれれば…それで良いから。

『良かったです中野先輩、ありがとうございます。』

メールを送信して、そのままポケットに収めた。

明日、先輩たちは帰って来る。


今、苺先輩は笑ってるかな…。


見上げた月は満月だった。