だけど、その後も試合に集中することは出来なかった。
気にしないようにしていても、翔の声だけがやたら頭に響く。
中学の時と変わらない掛け声が、胸をギュッと締め付ける。
なぜ男子バレー部の中に居るのか、気になってしょうがなくて…
「翔、入部したのかな…」
練習から少し外れた時、同じ中学出身の友達に、それとなく聞いてみた。
「したんじゃないの?この前、藤原先輩と話してたし」
「え、いつ?」
「先週…気付かなかった?」
全く気付かなかった。
部長の先輩と話してたってことは、やっぱり入部したってこと…?
どうしてだろう。
いきなりどうして-…?
“どうして”が、絶えない私。
こればっかりは直接、翔に聞いてみようと思った。
でも次の友達の言葉で、私はそれを止める。
「もー!佳奈ってば、彼氏のことくらい、ちゃんと見てなよー」
友達が指摘したのは翔のことじゃなく、先輩のこと。
笑いながら、やっぱりからかうように、背中を軽く叩かれた。



