13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


だけど、その後も試合に集中することは出来なかった。

気にしないようにしていても、翔の声だけがやたら頭に響く。

中学の時と変わらない掛け声が、胸をギュッと締め付ける。

なぜ男子バレー部の中に居るのか、気になってしょうがなくて…


「翔、入部したのかな…」

練習から少し外れた時、同じ中学出身の友達に、それとなく聞いてみた。

「したんじゃないの?この前、藤原先輩と話してたし」
「え、いつ?」
「先週…気付かなかった?」

全く気付かなかった。

部長の先輩と話してたってことは、やっぱり入部したってこと…?

どうしてだろう。
いきなりどうして-…?

“どうして”が、絶えない私。
こればっかりは直接、翔に聞いてみようと思った。

でも次の友達の言葉で、私はそれを止める。


「もー!佳奈ってば、彼氏のことくらい、ちゃんと見てなよー」

友達が指摘したのは翔のことじゃなく、先輩のこと。

笑いながら、やっぱりからかうように、背中を軽く叩かれた。