男子バレー部の輪の中に、ひとり目立つ存在。
それは彼が周りに居る男子よりも、圧倒的に小さいせい。
そこには、確かに…翔が居た。
皆に囲まれて、何かを話している翔。
誰かに用があったんだろう、とか、2年生が居ないから遊びに来ただけだろう、とか、一瞬にして色んな理由を考える。
だけど、どの理由も外れているということは、翔の姿を見れば分かった。
ジャージ。
翔は体育館で部活している生徒たちと同じ、学校指定のジャージを着ていた。
それを見て、思うことは一つしかない。
でも…それは以前、翔自らが否定したこと。
どういうこと…?
気が変わったってこと…?
「佳奈ちゃんっ!」
「…え」
すぐ隣から聞こえた声に、前を向くと…目の前にはバレーボール。
…しまった!!
私は瞬時に手を伸ばすけど、間に合うはずがなくて、ボーンと大きな音を立てて床に落ちた。
「ごめん!」
また…やっちゃった。
「どうしたの?体調悪いの?」
「ううん、大丈夫。本当ごめんね」
怒るわけでなく、心配してくれる友達たちに、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ちゃんとしないと…。



