13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


男子バレー部の輪の中に、ひとり目立つ存在。
それは彼が周りに居る男子よりも、圧倒的に小さいせい。

そこには、確かに…翔が居た。


皆に囲まれて、何かを話している翔。

誰かに用があったんだろう、とか、2年生が居ないから遊びに来ただけだろう、とか、一瞬にして色んな理由を考える。

だけど、どの理由も外れているということは、翔の姿を見れば分かった。

ジャージ。

翔は体育館で部活している生徒たちと同じ、学校指定のジャージを着ていた。

それを見て、思うことは一つしかない。

でも…それは以前、翔自らが否定したこと。

どういうこと…?
気が変わったってこと…?


「佳奈ちゃんっ!」
「…え」

すぐ隣から聞こえた声に、前を向くと…目の前にはバレーボール。

…しまった!!

私は瞬時に手を伸ばすけど、間に合うはずがなくて、ボーンと大きな音を立てて床に落ちた。

「ごめん!」

また…やっちゃった。

「どうしたの?体調悪いの?」
「ううん、大丈夫。本当ごめんね」

怒るわけでなく、心配してくれる友達たちに、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

ちゃんとしないと…。