13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


「藤原先輩が居ないから寂しい?」

体育館前。

夕焼け空に変わろうとする空を眺めていると、友達がひょっこりと顔を出した。

「…別に」

またからかわれるのか…と、低い声で返すと、友達は「嘘だぁー」と言いながら、顔の横で指を絡ませるように両手を合わせる。

「今ごろ先輩は何してるんだろー…って、思ってたんでしょ?」

いかにもぶりっ子な感じで、勝手に想像された私の気持ち。
からかわれる事に慣れて来たとは言え、だんだん呆れて、深いため息をついた。

「違うよ。部活行くよ、部活」
「またまた照れちゃってぇー」

友達はそう言って冷やかしたけど、本当に藤原先輩の事を考えていたわけではなかった。

赤く染まり始めた空が、綺麗だと思った…それだけ。



2年生が居ない4日間、顧問の先生も修学旅行に同行している為、部活はほぼ自由に等しい。
軽く筋トレなどをした後、私達はチームを作って、早速試合を始めた。

他の部も使用する体育館。限られたスペースの中で、試合を行うのはいつも2年生が主体。
だから、こんなに長く出来るのは始めてで、私も純粋に楽しんでいた。

そう、その瞬間までは-…。