13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「そんな檜山さんが気になったんだ。だから、本当に無理して忘れなくていいから…」

なら…先輩がそれで良いなら、付き合っちゃえば良いじゃん。

心の中で、ずるい気持ちが声を上げる。

だって、どう考えても翔と私は似合わない。重なる未来は想像出来ない。
私はきっと翔を忘れて、他の誰かに恋をするんだろう…。

だったら、藤原先輩と付き合ってもいいんじゃないの?

先輩は優しいし、容姿も良い方。
しかも男子バレー部の部長で、人望も厚く、しっかりしてて彼氏として申し分ない人。

これから先、“好きにならない”という理由はない。

「…」

頭に浮かぶ翔の顔。

「…分かりました」

私はその顔を断ち切るように、頭を下げた。

「よろしくお願いします」

翔を忘れる為の、良い機会かもしれない…。


「…」

せっかく付き合う事を決めたのに、先輩から言葉は出て来ない。

もしかして…からかわれただけだったりして。

嫌な予感がして、私はパッと顔を上げた。「やっぱり冗談なんですか!」と怒る気で。

だけど、