「そんな檜山さんが気になったんだ。だから、本当に無理して忘れなくていいから…」
なら…先輩がそれで良いなら、付き合っちゃえば良いじゃん。
心の中で、ずるい気持ちが声を上げる。
だって、どう考えても翔と私は似合わない。重なる未来は想像出来ない。
私はきっと翔を忘れて、他の誰かに恋をするんだろう…。
だったら、藤原先輩と付き合ってもいいんじゃないの?
先輩は優しいし、容姿も良い方。
しかも男子バレー部の部長で、人望も厚く、しっかりしてて彼氏として申し分ない人。
これから先、“好きにならない”という理由はない。
「…」
頭に浮かぶ翔の顔。
「…分かりました」
私はその顔を断ち切るように、頭を下げた。
「よろしくお願いします」
翔を忘れる為の、良い機会かもしれない…。
「…」
せっかく付き合う事を決めたのに、先輩から言葉は出て来ない。
もしかして…からかわれただけだったりして。
嫌な予感がして、私はパッと顔を上げた。「やっぱり冗談なんですか!」と怒る気で。
だけど、



