「……」
“別れた”その言葉に、どんな言葉をかけたら良いのか分からず、私はただ先輩の背中を追い掛けるように歩いた。
そして、連れて来られたのは校舎裏。
賑やかだった表とは、打って変わって静まり返っている。
それは、予想していたような、予想していなかったような場所で、緊張する。
「急いでごめんね」
先輩は謝りながら、やっと手を離した。
「友達、大丈夫?」
「あっ…」
そうだ、都…。
携帯を確認しようと、ポケットに手を忍ばせる…だけど、
「…大丈夫です」
すぐにその手を出した。
何となく…今、携帯を見てはいけない気がした。
先輩は「なら、良かった」と、軽く笑顔を覗かせた後、私の目を見つめ口を開く。
「あんまり時間もないし、単刀直入に言うね。
檜山さん…俺と付き合ってくれない?」
「え…?」
静かな場所で、はっきりと聞こえた言葉。だけど、信じられなくて、私はその言葉を疑う。
「先輩…冗談、キツイですよ」
「冗談じゃないよ」
「っ…」
真っ直ぐ言われて、思わず私は目を逸らした。
何で…信じられない-…。



