13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「……」

“別れた”その言葉に、どんな言葉をかけたら良いのか分からず、私はただ先輩の背中を追い掛けるように歩いた。

そして、連れて来られたのは校舎裏。
賑やかだった表とは、打って変わって静まり返っている。

それは、予想していたような、予想していなかったような場所で、緊張する。

「急いでごめんね」

先輩は謝りながら、やっと手を離した。

「友達、大丈夫?」
「あっ…」

そうだ、都…。

携帯を確認しようと、ポケットに手を忍ばせる…だけど、

「…大丈夫です」

すぐにその手を出した。

何となく…今、携帯を見てはいけない気がした。

先輩は「なら、良かった」と、軽く笑顔を覗かせた後、私の目を見つめ口を開く。

「あんまり時間もないし、単刀直入に言うね。
檜山さん…俺と付き合ってくれない?」

「え…?」

静かな場所で、はっきりと聞こえた言葉。だけど、信じられなくて、私はその言葉を疑う。

「先輩…冗談、キツイですよ」
「冗談じゃないよ」
「っ…」

真っ直ぐ言われて、思わず私は目を逸らした。

何で…信じられない-…。