13センチの片想い。私とアイツの恋の距離

♪佳奈side♪


「……」

せっかく店番が終わったというのに、私は店の隅に座って、ぼー…っとしてる。
チラチラと気にするのは、隣で忙しそうにしてる藤原先輩。

結局、先輩より私の方が早く終わってしまった。

携帯をポケットから取り出して、時刻を確認すれば、都との約束の時間が迫っている。

何故だか、ほんの少し焦る気持ち…。

そわそわして、私はまた自分の方の手伝いでもしていようかと、立ち上がった…その瞬間、

「檜山さん、ごめん!」

藤原先輩が謝りながら駆け寄って来た。

「…大丈夫なんですか?」

来てくれた事にホッとしつつも、今さっきまで忙しそうにしていた様子が気になって、声をかける。

「大丈夫!」
「でも…」

藤原先輩の爽やかな笑顔の後ろには、恨めしげに見る他の先輩達。

私が誘ったわけではないけど、罪悪感を感じて、頭を下げようとする…と、

「いいから行こう!」
「えっ…」

先輩は私の手を引いて、歩き出した。

もちろん、周りは私達を知る人ばかりで、「きゃー」とか「わーお」とか、それぞれが冷やかしの声を上げる。