13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「いや…そうじゃなくて!俺は全然大丈夫!」

悲しそうに目を細めてる先輩に、慌てて否定した。

自分の事なんかどうでも良い。

「ただ、苺先輩は困るじゃん…」

どうして困るのか、きちんと口に出して言えない。だけど、言わなくても意味を汲み取ったように、苺先輩は微笑んだ。

「友達とか、分かって欲しい人は分かってくれてるから、大丈夫だよ。…それより、早く回りに行こ?」

ふっと零れるような笑顔を見せて、玄関の外へと向かって歩き出す先輩。

分かって欲しい人…
苺先輩が一番そう思っている人は、分かってくれているのだろうか。

「翔くん、早く早く!由紀ちゃんの所行きたい!」

手招きして呼ばれて、俺は駆け足で苺先輩の隣へ並んだ。


「人の目を気にしてたら、男の子と友達になんてなれないよ」

こっちを見て、小さく吐かれた言葉。その言葉に、胸がカァッと熱くなる。

「-…」

“ありがとう”が、込み上げる。


「…苺先輩、良い事あった?」
「えっ!?何で?」

笑顔がパッと消え、驚く苺先輩。

「何となくー」

あまりに素直な先輩に、ついつい笑ってしまった。